エクイティと期待値の違い
ポーカーを始めたての人であれば、エクイティと期待値の違いを明確に答えられる人は多くはないです。中級プレイヤーでも感覚的にしか答えられない人もいます。両者はともにオッズが関係していて、収益性の高い判断をするうえで有効な手段と思えます。似たようなところがある一方で、両者には違いがあり、ともに一丸となってあなたの収益性の高い判断材料となるのです(これが混乱の種です)。それでは、エクイティと期待値の違いは具体的に何なのでしょうか。解説していきます。
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目次
1. エクイティと期待値の定義
2. エクイティと期待値の間にあるコンセプト
3. エクイティと期待値が繋がる例
4. エクイティと期待値のよくある誤解
1.エクイティと期待値の定義
エクイティの定義
エクイティとは、あるハンドの、あるスポットにおける勝利するオッズに基づいた、あなたのポットのシェア分です。 言い換えれば、エクイティは勝率です(例えば70%等です)。
期待値の定義
期待値とは、金銭的な価値です(例えば+$10等の値)。値はプラスにもマイナスにもなります。期待値は、コールやベットがいかに収益性があるかを教えてくれる指数であり、判断に迫られたとき算出するものとなります。
以上が、基本形となります。それでは、2つは数学的にどのように関係しているのでしょうか。
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2.エクイティと期待値の間にあるコンセプト
エクイティは、期待値を算出する際に必要なパラメータです。例えると、エクイティはパンを作る際の材料である小麦に該当します。つまり、ある判断をしたときに勝つ、もしくは負ける可能性のあるお金を、エクイティと組み合わせると、期待値が算出されるのです。
3.エクイティと期待値が繋がる例
あなた($100):A♢K♡
相手($100):J♠T♠
ボード:A♠Q♢4♠
あなたのエクイティは56%
ポット:$200
オッズ計算機によると、フロップでのあなたのエクイティは56%となります。つまり、リバーまでに勝利する確率は56%あるということです。ポットのシェア分も56%あります。
相手が$100のオールインをしたとします(ポットの合計は$300)。あなたは、もう$100払ってコールするか決めなくてはなりません。このとき、いくら平均的に勝つ(もしくは負ける)かを計算するためには、期待値を算出する必要があります。
- あなたは56%の確率で$300を獲得する⇒$300×0.56=$168
- あなたは44%の確率で$100を失う⇒$100×0.44=$44
よって、期待値EVの計算は、以下のようになります。
EV = 勝つ金額 – 失う金額 = $168 – $44 = +$124
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4.エクイティと期待値のよくある誤解
期待値プラスになるためには高いエクイティが必要と考えている方がたくさんいらっしゃいますが、それは誤解です。
エクイティと期待値は、直接の比例関係ではない。
確かに、エクイティが大きければ大きいほど、よりよいですが、エクイティが低くても期待値がプラスとなる状況が存在します。
具体例
あなた($100):J♢T♡
相手($100):A♠J♠
ボード:A♢Q♠4♠
あなたのエクイティは11%
ポット:$200
このとき、フロップで相手がポット$200に対し$10のオールインをしたとします。あなたの勝率は11%と非常に低いです。しかし、コールの期待値は以下のように計算されます。
- あなたは11%の確率で$210を獲得する⇒$210×0.11=$23.1
- あなたは89%の確率で$10を失う⇒$10×0.89=$8.9
よって、期待値EVの計算は、以下のようになります。
EV = 勝つ金額 – 失う金額 = $23.1 – $8.9 = +$14.2
このように、勝って得られる報酬に比べベットサイズが非常に小さいので、コールをするプレイは期待値プラスとなるのです。
以上のように、エクイティと期待値の違いや誤解に触れてきましたが、期待値についてより理解をしたいという方は以下の動画をご覧ください。より複雑な状況における期待値の導出方法について述べています。