シンプルにハンドを甲乙つけられない理由
私が初心者の頃は、熱心にハンドの勝率を覚えていました。勝率の高いハンドや低いハンドは覚えられるのですが、中堅になるとどっちがどれくらい強いのかを覚えるのが難しく、オッズ計算機を回して一生懸命に勉強に励んでいました。しかし、この勉強法はあまり意味がないです。なぜなら、ハンドをシンプルに甲乙つけるのは難しいからです。それを説明するためには、いくつか例を示してみると納得がいきます。それでは、解説していきます。
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目次
1. シンプルにハンドを甲乙つけられない理由
2. 具体例
1. シンプルにハンドを甲乙つけられない理由
第一回目の講義で、「エクイティが高いハンド=いいハンド」ではないということを述べました。これはつまり、すべてのホールディングカードは、それぞれに特性を持ち、スポット毎に扱いが違うということでもあり、このハンドは別のハンドよりも優れているとシンプルに決めつけてはいけないということでもあります。
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2. 具体例
KToと75sのコールについて
例えば、広いレンジを持つBTNがオープンしたとします。このとき、KToは、75sよりもBBからコールすることにより適しています。なぜなら、KToをコールドコールするすることは、相手のレンジ内にある弱いKXやTXをそのままキープすることができるからです。一方、KToを3ベットすると、それらのハンドをフォールドさせてしまうことになります。BTNのレンジは広いので、あなたが必要とするハンドはとても強いハンドというわけではありません。それに対し、75sのコールはそこまで有効ではありません。なぜなら、せいぜいセカンドペアですし、それになったとしても、キッカーが弱いため、キッカー負けでリバーまで進んでしまい大惨事に繋がりかねません。
KToと75sの3ベットについて
しかし、75sはKToに比べ、3ベットポットでよりよく機能します。3ベットポットでは、シングルレイズドポットのときより、ショーダウンして勝つときにより強いハンドが求められます。そして、75sはKToよりもより強いハンドを形成するポテンシャルを持っています。さらに言うと、フラッシュドローやストレートドローを形成した場合、ターンでダブルバレルセミブラフを実行することができます。もし、リバーでインプルーブしたらバリューベットをするだけです。最後に、KToの3ベットは重大な欠陥を孕んでいます。それは、相手がATやKJ、KQでコールをした場合、ドミネイトされているということです。
我々は、あるハンドはコールとして優れていて、あるハンドはセミブラフレイズとして優れていることを認識しなければならないのです。そして、理論に比重を置くプレイヤーの仕事は、強い相手に対し、正しいレンジで臨むことです。残念ながら、ポーカーにはどのハンドがどのようなレンジを形成するかを決める簡単な方程式はないので、我々はノーリミットホールデムの理論を深く理解しなければなりません。