プリフロップにおける3ベット、4ベット、5ベットの頻度

ポーカー 基本戦略

現在の科学では、プリフロップにおける3ベットや、4ベット、5ベットに関する完璧なベットサイズや頻度が導き出せるわけではないですが、実際にアクションしたベットサイズがどのように影響するかを分析することや、どれほど各プレイヤーのレンジや頻度に影響しているかを理解することはできます。さらに、これから議論する方法論を理解することは、完璧なベットサイズを理解することよりもさらに重要になります。実際、ベットサイズの小さな変化は各プレイヤーのレンジをわずかにしか変えません。

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目次

1. プリフロップにおける3ベットの頻度とディフェンス頻度

2. プリフロップにおける4ベットの頻度

3. プリフロップにおける5ベットの頻度

1. プリフロップにおける3ベットの頻度とディフェンス頻度

それでは、相手がブラフするインセンティブをなくすためには、3ベットに対しどれほどの頻度でディフェンスしなければならないのかを考えていきましょう。計算を簡単にするために、オープン額を3.5BBにします。あるプレイヤーがインポジション(IP)から10BBの3ベットブラフをしたとき、彼は5BBを勝ち取るために10BBのリスクをとることになります。したがって、66.7%の頻度で機能する必要があります。

$$0.667=\frac{10}{5+10}$$

同様に、10BBの代わりに12BBを3ベットした場合、70.6%の頻度で機能する必要があります。

$$0.70.6=\frac{12}{5+12}$$

以上の具体例からわかることは、3ベットサイズを20%増加したとしても、オリジナルレイザー のディフェンス頻度 は4%しか変わらないということです。また、強いハンドを持っていたり、ブラフをする別のプレイヤーの存在を忘れてはなりません。

複数プレイヤーを考慮した3ベットのディフェンス頻度

具体例を示します。COが3.5BBでオープンし、BTNが10BBに3ベットしたとします。3ベッターが勝つためには、66.7%の頻度で他のプレイヤーがフォールドする必要があるので、他のプレイヤーは合計で33.3%の頻度でディフェンスしなければなりません。もし、残りのSB、BBが3%の頻度で4ベットをし、残りの頻度でフォールドするとしたら、オリジナルレイザーは少なくとも29.1%の頻度でディフェンスしなければなりません。

$$(1-X)(1-0.03)^2=0.667$$
$$X=0.291$$

ここで、Xはオリジナルレイザーのディフェンス頻度で、1-0.03は各ブラインドのフォールドする確率になります。

しかし、ポーカーはそれほどシンプルではありません。 IPのプレイヤー は、アウトオブポジション(OOP)のプレイヤーと比較して、小さい3ベットをする傾向があります。もしあなたがオープンし、相手が小さい3ベットをしたとすると相手はIPにいるでしょうし、逆も然りです。一般的に、3ベットのディフェンス頻度は凡そ27-31%を目安にしておくとよいでしょう。

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2. プリフロップにおける4ベットの頻度

同様に、プリフロップにおける4ベットの頻度について考えていきます。15-16BBのポットを勝ち取るための、4ベットサイズは凡そ22-24BBであるため、もしオリジナルレイザーが4ベットをした場合、オープン額の3.5BBを引いた18.5-20.5BBがリスクとなります。したがって、オリジナルレイザーの4ベットは約55%の頻度で成功しなければなりません。

$$0.55=\frac{18.5}{15+18.5}$$

また、ブラインドからの4ベットは約60%の頻度で成功しなければなりません。

3. プリフロップにおける5ベットの頻度

最後に、5ベットの頻度について考えていきます。5ベットのベットサイズはオールインとし、スタックサイズを100Bとします。また、5ベットオールインのブラフをするときのレンジを、スモールペアやスモールAXsにします。なぜなら、コールされたときにこれらのハンドは十分な勝率を持っているからです。しかし、特定のハンドがもつエクイティは、相手のコールレンジによって変化します。例えば、JJ+/AK のコールレンジに対しては、33とA5sのエクイティはそれぞれ、32.3%と30.7%ですが、KK+のコールレンジに対しては、33は18.4%しかエクイティはなく、A5sは26.7%のエクイティがあります。

考慮しなければいけない点は他にもあります。5ベットブラフは大抵の場合、オリジナル3ベッターによって実行されるということです。彼はすでに11BBを投資しており、リスクは89BBとなります。したがって、最終的にポットの大きさは201.5BBになります。もし、5ベッターがコールされたときのハンドのエクイティが31%だった場合、ポットのシェア分は62.5BBとなります。

$$62.5=(201.5)(0.31)$$

89BBのリスクを考慮すると、コールされた時のトータルの期待値は-26.5になります。

$$-26.5=62.5-89$$

一方、相手がフォールドしたときも考える必要があります。4ベット(24BB)がプリフロップレイザーから実行されたとすると、5ベッターは36.5BBを勝ち取ります。

$$36.5=24+11+1.5$$

ここで、1.5とはブラインドの量、11とは3ベットの量、24とは4ベットの量を表します。したがって、この5ベットブラフは42%の頻度で成功する必要があります。

$$(X)(36.5)+(1-X)(-26.5)=0$$

一般的に、5ベットは40-50%の頻度で機能する必要があります。パーセンテージを変えるパラメータは5ベットコールのレンジに対するエクイティや、オープン、3ベット、4ベットの量になります。

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4. 要約

要約すると、3ベット、4ベット、5ベットブラフの必要な成功頻度は、以下のように減少していきます。

  • 3ベットブラフは67-70%の頻度で相手をフォールドする必要がある。
  • 4ベットブラフは54-60%の頻度で相手をフォールドする必要がある。
  • 5ベットブラフは40-50%の頻度で相手をフォールドする必要がある。
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