2020/05/10

スロープレイ|ポーカー戦術集

こんにちは。Youtubeでカジノちゃんねるを運営しておりますmuuuuuuと申します。今回は、ポーカーのノーリミット・ホールデムにおける戦術を紹介します。題材は「スロープレイ」です。スロープレイは、ポーカーの基本戦術ですが、使い道を誤ると思わぬ損失に繋がることがあるので、意識してプレイできるようになりましょう。

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スロープレイとは

スロープレイとは、「非常に強いハンドを持っている状態で、チェックやコールを多用し、相手をすぐに降ろさずに可能な限り後半のストリートまでプレイする」ことです。これによって、相手のチップを最大限引き出すことを目的としております。これだけだとわからないと思いますので、具体例をみていきましょう。

具体例

$50/$100のライブトーナメント(BBアンティ:$100)にてヘッズアップのケースを考えます。あなたのポジションはBTNで、ハンドはK♢K♠です。あなたは相手が降りないようにコールを選択すると、相手(BB)はチェックを選択し、プリフロップを終えました。この時点で、通常はレイズをすべきところを敢えてコールに留めていることから、このプレイは、最初のスロープレイとなります。

フロップ($300)：K♡Q♣3♢

あなたはKingのセットを完成します。ボードがレインボーであるため、あなたは現状最強ハンドであるナッツです。BBは$100でオープンしてきました。あなたは、レイズをしても良いですが、相手が降りてしまい利益が最大化できない恐れからコールに留めました。これも、2つ目のスロープレイになります。

ターン($500)：5♠

BBは、ベット$200でオープンします。あなたは、まだ現状ナッツです。ここでも、コールに留めました。3回目のスロープレイです。

リバー($900)：8♢

ボードをみると、ストレート、フラッシュ、フルハウス、クワッズが完成しないボートです。よって、あなたのハンドは完ぺきなナッツです。ここで、BBが$1000のオールインを選択しました。当然あなたはコールを選択し、ショーダウンです。BBのハンドはK♣Q♡で、ツーペアでした。あなたの勝利です。このように、相手から最大限チップを搾取するために、敢えてプレイを後半のストリートまで遅らせております。これが、理想的なスロープレイでの利益の最大化です。

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スロープレイのメリットとデメリット

スロープレイは、成功すると大きなリターンが得られますが、リスクと表裏一体の関係にあります。

メリット

後半のストリートに進むほど、ポットは膨らみ、ベットサイズが大きくなる。
これにより、スロープレイをしないときに比べ、勝った場合は大きなリターンになる。

デメリット

現状ナッツでも、ドローされてしまった場合、大きな損失に繋がる。

先ほどの例で、もしリバーが9♢であった場合、ナッツハンドは、JTのKハイストレートになります。もし、BBがJTを持っていた場合、大きな損失を被ることになります。

スロープレイの利用方法

スロープレイの定義を理解したら、次はスロープレイをどのように利用するかを理解しましょう。ここでは、自分がスロープレイする場合と、相手がスロープレイしてきた場合の利用方法について述べます。

自分がスロープレイを使う場合

現状ナッツで、ストレートドローやフラッシュドローがないようなボードのとき（ドライなボードのとき）。

スロープレイが有効なときは、現状ナッツで、相手のハンドが発展しそうにないボードのときです。逆に言えば、そのようなとき以外は使わないほうが良いでしょう。スロープレイの多用は、思わぬ逆転勝ちのチャンスを相手に与えているようなものです。

相手がスロープレイを使ってきた場合

相手がスロープレイしてきた場合、隠されたヒントの例は以下の通りです。

相手がやたら消極的なので、確認ベットをしたら、コールでついてきた。
やたら、チェックコールでついて来る。（ドロー狙いの可能性もあり）

対策例

ターンやリバーで現状ナッツでなくなるようなカードが落ちた場合、ブラフする。
ターンとリバーをチェックで返す（相手がベットしてきたらフォールド）。

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スロープレイの例

スロープレイの例として、Tom Dwanのプレイ動画をご紹介します。スーパープレイですので是非、ご覧ください。

プリフロップ

DAVIDはQ5oでポット1500に対し4000のレイズをします。SANDORはJJで、コールします。TOMはA5sでコールします。この時点での勝率は、DAVID: 18%
、SANDOR: 51%、TOM: 31%です。

フロップ

なんとフロップはA♡・A♣・2♠です。TOMのAのセットが完成です。この時点での、勝率は

DAVID: 1%
SANDOR: 8%
TOM: 91%

SANDORが勝つためには、アウツJの2枚が落ちる必要があります。それに気づかず、SANDORは、ポット13200に対し、ベット9000をします。大部、強気ですね。当然、TOMはコールします。（ここで、DAVIDはフォールドしました。）

ターン

なんとターンは5♡です。TOMはフルハウスが完成しました。SANDORは、TOMがフロップでコールしてきたことを警戒して、チェックをします。おそらく、Aを持っているか確認したのでしょう。しかし、このSANDORの警戒を感じ取ったのかTOMは、チェックで返します。このチェックによって、ゲームはさらにおもしろくなっていきます。

リバー

ここで、まさかの事態が起こります。リバーカードがA♢です。TOMはクワッズが完成、SANTORはフルハウスの完成です。強い役同士だと、通常大事故が起きます(私もよく、経験しております)。SANDORは、ポット31200に対し、25000のベットをします。下ろすには、十分な金額ですが、TOMはナッツなんですね。ここで、TOMは3つの選択肢で迷います。

1. オール・インをする。
2. 3倍、4倍のレイズをする。
3. ミニマムレイズをする。

通常のプレイヤーならば、1や2を選ぶことでしょう。しかし、私が強調したいのは、TOMは恐ろしい戦略を考えていたのではないかということです。TOMは3を選択します。なぜでしょう。私の見解は、以下です。

バリューを考えると、Aのクワッズは稼ぐハンドです。めったに、完成しません。そこで、SANDORの全スタックを得るために、一旦、自信のなさそうなレイズを見せたのです。SANDORは降りないプレイヤーなので、どうせ、もう25000コールするのであれば、オール・インするだろうと、このようにTOMは考えたのではないかと思ってます。理由は、これまでのSANDORのベット金額をみても、ポケットであることは明らかなため、相手がフルハウスを完成していると強気に出てきてもおかしくないからです。結果、SANDORは、コールで対応することでゲームは幕を閉じました。しかし、見てください。このTOMの悔しそうな顔を。